アクセス数がすべてとは限らない
以前、SEOについて説明を行いました。
SEOは、googleなどの検索エンジンで検索した際、自分のホームページがなるべく上位に表示されるようにするという取り組みのことだと説明したかと思います。
上位に掲載されるとアクセスが増える傾向にあることから、SEOというのは、ホームページへのアクセス増加を目指して行うものだと言えます。
とはいえ、残念ながら、SEOは取り組めば取り組んだだけ効果があがるといったものではありません。
競合他社もSEOに取り組んでいるでしょうし、検索エンジンの仕組みもコロコロ変わるからです。
(ただし、「質の高いコンテンツをたくさん用意した方が良い」など、基本となる方針は示されており、SEOの取り組み自体は行っていった方がよいでしょう)
SEOがあまり功を奏しないなどでホームページへのアクセスが伸び悩むことは往々にしてあるものです。
そんな時、アクセスの数字だけではなく、その中身を見ていくことによって、新たな活路が見いだせる場合があります。
そのホームページを設置した目的は、たとえば商品やサービスの売上や認知度の向上ではないでしょうか。
つまり、アクセス数そのものは目的を達成するための手段のひとつに過ぎないはずです。
アクセスの「量」だけでなく、ほかの指標も交えて、ホームページのアクセスを立体的に分析してみてはいかがでしょうか。
アクセスの「質」
こちらの式をご覧ください
アクセス数 × 成約率 × 客単価 = ホームページからの売上
アクセス数は、一定期間内にホームページを訪れた数(人数)です。
成約率は、アクセスがあった中で成約に結び付いた割合です。
成約数 ÷ アクセス数 で計算できます。
たとえば、1か月の間にホームページへのアクセスが100あったとして、同じ期間にホームページ経由での成約が1件であれば、成約率は1%です。
ホームページにおける成約は、そのページの種類によって異なります。
ネットショップであれば商品を購入してもらうことが成約ですし、
催し物への参加を募っているページであれば、参加希望の送信が成約になります。
ここでは「成約」という呼び方をしましたが、通常は「コンバージョン」という用語を使うことが多いです。
自社の情報をとりあえず掲載しているというホームページの場合、一見成約はなさそうに思えますが、ホームページを見ての問い合わせを成約とみなすこともできるでしょう。
客単価は、言葉通り、成約したお客様1人あたりの平均受注額がそれにあたります。
(さきほど例に挙げた「催し物に参加してもらうことが目的の場合」のように、直接的な受注額が生じない場合もあるかと思いますが、目安として1成約あたりの金額を設定しておくことをおすすめします)
アクセス数、成約率、客単価、いずれも業態やホームページの性質等々によって大きく変わりますので、参考になる基準はあまりありません。
ですが、ホームページ運営の方針を考えるときに、これらの指標はとても役に立ちます。
これらの指標のうち、成約率や客単価は変わらないと仮定して、アクセスがどの程度増えると売り上げがどの程度増えるか、という見積もりをすることができます。
(実際、成約率や客単価は、アクセス数に比べると変化の幅が少ない傾向にあるようです)
たとえば、1個100円のお菓子を販売しているネットショップがあるとして、
現在、1か月のアクセス数、成約率、客単価がこのようになっているとします。
1,000 × 1% × 100
計算すると、1か月の売り上げは 1,000円 ということになります。
ここで、1ヶ月の売り上げを10,000円にしたいと考えたのであれば、単純計算で、アクセス数を現状の10倍である 10,000まで増やせば達成できそうです。
アクセスを増やすのであれば、googleなどに広告出稿をするというのもひとつの方法でしょうし、あわせてSEOの取り組みが足りていないのであればそちらにも注力するべきでしょう。
広告については、初回のみ広告料を割引するなどのキャンペーンがたびたび行われていますので、試しに出稿してみて、費用対効果を見積もっておくのもひとつの方法でしょう。 (※)
または、成約率を向上させるという取り組みの方向もあるでしょう。
成約の獲得は、ページを見た後でお客様に興味を持ってもらうことが肝心です。
そのため、興味を持ってもらうための説明の部分や、次に見るべきページへの誘導がわかりにくいなど、工夫次第で成約率向上につなげられる余地が残っているかもしれません。
アクセス分析ツールを使えば、お客様が離れてしまうページを調べるなど、改善のための手掛かりを得ることが可能です。
(客単価については、短期的に変化させるのが難しいものなので、ここでは割愛します)
アクセス数と成約率の向上はどちらか片方しか行えないわけではありませんから、実際のホームページ運営ではその両方を行っていくことがほとんどでしょう。ここでは、「いま、より力を入れるべきはどの部分か」を知る方法について紹介したと思ってください。
ここで述べたような指標は、「Googleアナリティクス」などのアクセス分析ツールを使うことで調査、分析することができます。
Googleアナリティクスは強力なツールですが、無料で利用することができます。
独特の用語が使われていたりなど、少々とっつきにくい面があるかもかもしれませんが、上の式をおぼえておけば読み解くことはさほど難しくないはずです。
アクセス分析は、ホームページ戦略の第一歩
このように、自社ホームページの アクセス数、成約率、客単価 を調べておくと、ホームページの目標を達成するための道筋をいくつか見出すことができるはずです。
Googleアナリティクスなどを利用すれば、自社のホームページについての数々の指標を得ることができます。
ただし、成約率(コンバージョン率)などは自分で設定する必要があります。
弊社ではGoogleアナリティクスの導入や操作方法などについてもご相談いただけます。
ご不明な点などありましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。
※ 一時的にアクセスが増加した場合、その成約率は通常とは異なる(一般的に下がる)と言われています。一時のアクセス増にとどまらず、そこから再訪問してもらえるような工夫が望ましいでしょう。